飛行機事故に巻き込まれた七人の高校生。
彼らが目を覚ますとそこは魔法や獣人の
存在する異世界だった。
突然の事態に彼らは混乱― ― することも
なく(!?)
電気もない世界で発電所を
作ったり、
ちょっと出稼ぎに出ただけで
大都市の経済を牛耳ったり、
あげく悪政
に苦しむ恩人たちのために
悪徳貴族と
戦争したり、やりたい放題!?
そう。彼らは誰一人普通の高校生ではなく、
それぞれが政治や経済、科学や医療の頂点に立つ超人高校生だったのだ!
これは地球最高の叡智と技術を持つ
ドリームチームによる、
オーバーテクノロジーを自重しない異世界革命物語である!
世界最高レベルの天才、人呼んで「超人高校生」である御子神司たち七人は、それぞれ、政治、経済、剣術、医療、諜報、科学、マジックの類まれなる才能を持ち、世界を股にかけて活躍していた。
ところがある日、司たちは不運にも飛行機事故に遭ってしまう。彼らが目を覚ますと、そこはドラゴンが飛び、獣耳を持つ人々が暮らす「異世界」だった。
常人なら取り乱し、混乱するところだが、彼らは超人高校生。異世界だろうが余裕で生き抜くのである。むしろ彼らの心配は、彼らの才能が異世界を混乱させてしまわないかということだった。
司たちは、自分たちを助けてくれた少女、リルルと、彼女が住むエルム村に恩返しをするため行動を開始する。エルム村の人々と打ち解け、親しくなっていく超人高校生たち。ところがエルム村は、北部一帯の商業を牛耳る悪徳商人、ノイツェランド商会によって、貧しい生活を強いられていた。
その状況に、真田勝人が立ち上がる。彼は元の世界で「財界の魔王」と恐れられた、世界最高の商人である。
商業都市ドルムントを訪れた勝人は、神業のような手腕で瞬く間に自分たちの勢力を作り上げ、ノイツェランド商会との全面対決に挑む。
ドルムントで出会った少女、ルーを新たな仲間に加えた勝人たち。卑劣なノイツェランド商会の策をものともせず、勝人は大胆不敵に笑う。
一方、エルム村には厳しい冬が訪れようとしていた。皆の身を案じ、一計を講じる司。
忍者の末裔で世界最高のジャーナリスト、猿飛忍の働きで、朧気ながらこの世界の情勢が判明する。この世界を支配する覇権国家、フレアガルド帝国。失われた信仰、七光聖教。元の世界に帰る方法を探す司たちだが、謎は深まるばかりだった。
そんな時、平和なエルム村に危機が訪れる。
世界最高のマジシャン、プリンス暁の機転で窮地を脱するエルム村の人々。だが、この一帯を治める卑劣な領主フィンドルフのもとへ、リルルが連れ去られてしまう。
義憤に駆られるエルム村の人々。だが、領主に逆らえば村は無事では済まない。司は政治家としての立場からもっとも犠牲が少なくて済む解決策を村人たちに提案する。それでもリルルを取り戻す、と団結した村人たちに助けを求められた司は彼らに力を貸すことを決心する。
司たちは持てる技術と才能を発揮して、領主に反旗を翻す。それは、この異世界の在り方を、根本から変えてしまう事を意味していた。
圧倒的な科学力を以て、悪徳領主フィンドルフを討ち果たした超人高校生たち。だがそれは、全ての始まりにすぎなかった。
七光聖教を名乗り、自らを神の使いとして人々の前に姿を現した司たちは、医療やマジック、マヨネーズを奇跡と称して振舞い、異世界の人々をまとめ導こうとする。
その第一歩として、大都市ドルムントを平定する司たちだったが、ドルムント警備隊隊長、バーナードは、司たちのやり方に疑問を覚える。領主が倒されて、フレアガルド帝国が黙っているはずがない。
来るべき不穏な未来を憂うバーナード。そんな現実的な視点を持つ彼を、司は高く評価し、仲間として迎えようと動き出す。
ドルムントを拠点に、次々に改革を進めていく司だったが、帝国との本格的な衝突にも備える必要があった。
司が懸念しているのは、北部一帯を治める総督、オスロ―・エル・ギュスターヴ。彼の使う恐るべき戦略魔法、「天の炎」を、司は強く警戒する。
一方、リルルはフィンドルフから助けてもらった礼を、司に言えないでいた。自分を避けているフシもある司に、リルルは正面から向かい合う決意をするが……!?
その頃、遠く離れたエルム村では、ルーがある試練に立ち向かっていた。
北部の村、ココノノ村を訪れる忍とエルク。二人は予測に反して、村人から惜しみない歓待を受ける。
村は綺麗に整備され、住民は身なりもよく、穏やかな人ばかりであった。全ては北領総督、オスロー・エル・ギュスターヴの統治のお陰、と、彼を賞賛する村人たち。
ココノノ村は稀に見る豊かな村だったが、忍はその裏にある、底知れぬ闇を感じ取り、調査を進める。
そんなココノノ村に、帝国の騎士団が査察に訪れる。騎士団を率いるのは女騎士、ジャンヌ。情報を入手するために、忍がとった手段とは……
七光聖教の存在に激怒するギュスターヴは迸る怒りのそのままに、天の炎、ラージュソレイユを解き放つ。
突然の攻撃に混乱を極めるドルムント。そんな状況にあって、司は落ち着き払っていた。全ては想定していたこと。皆が為すべきことを為せば、必ず切り抜けられるはず。
司が作成した避難計画によって、ドルムントは最悪の被害を免れる。だが、天の炎は止まらない。放たれた炎の精霊たちは、街を焼き尽くさんと攻撃を続けていた。
ミサイルも効かない窮地に立たされた時、世界最高の剣豪、一条葵が名乗りを上げる。
ギュスターヴの天の炎を、辛くも破る司たち。七光聖教を危険だと判断したギュスターヴ は、すぐさま進軍を命じる。
ギュスターヴの命を受け、七光聖教を制圧せんと進軍するアークライド侯爵。七光騎士団は厳寒の冬山で、その軍勢と激突する。
その頃忍は、ジャンヌが属する反帝国組織「碧の団」と合流していた。ギュスターヴによる全軍招集の報を受け、一斉蜂起の好機、と見た碧の団はギュスターヴの総督府を包囲する。
降伏を呼びかけるジャンヌ。だがギュスターヴは、皇帝への妄執じみた忠誠を胸に、ジャンヌと忍に猛然と反撃を開始する。
ギュスターヴを退け、北部全体を手中に納める七光聖教はもはや帝国全土から見ても、危険な存在となった。
これから帝国との戦争が本格化し、忙しくなるだろうと思った矢先、司と林檎は「働きすぎだ」とドクターストップがかけられる。
休養を命じられた司は、休息の合間に、一緒に街を散策しようと、林檎に提案する。それはつまり、デートなのでは? 世界最高の科学者である林檎だが、恋愛に関しては無知で無力だった。仲間たちに相談するが、林檎の不安と混乱は全然消えない。そんな林檎に、忍は秘策を授ける。
果たして二人のデートの結末は?
「あるもの」の開発に集中する林檎。司もまた、その開発を頼んだ責任の重みを一身に受け止める。
情報収集を続ける忍は、碧の団の不審な動きを掴み、ジャンヌの身を案じていた。
一方、街では病が流行していた。異世界の医療では手の施しようがなく、司たちの準備した医薬品も不足している中、患者は死に至る病で苦しんでいる。
患者を救うことのできない七光聖教を侮辱する地元の医師会に怒る暁。
彼の心意気に応えるように、世界最高の医師、神崎桂音は、薬を作り、患者たちを救うと宣言する。
ジャンヌの窮地を救った忍はジャンヌの意志を受け止め、彼女を七光聖教に招き入れる。
一方、帝国元帥ネウロ秘蔵の魔導士、タンガニカは、隠されていた実力をついに現す。まき散らされる破壊と破滅。それは帝国の力を示すに十分なものだった。
それに対抗し、世界最高の政治家、御子神司は、かねてから用意していた策を発動する。それは、異世界における革命の始まりを告げる狼煙となった。
「帝国を打倒し、革命を起こす」。
集まった群衆を前に、司は新たな世界、新たな国の姿を語る。